英語と母国語

カナダ親子留学・体験談|ハリファックスで取り組んだ新たな挑戦

こんにちは。子ども教育キャンバスのHaruです。

カナダでの親子留学、本当に“価値”はあるのだろうか?

英検や教科書の勉強だけでは得られない「生きる力」や「自己肯定感」を、海外での生活を通じて育てられるのか。

「カルチャーショックにどう向き合う?」「子どもだけでなく親も学べるの?」──多くの親子が気になる疑問に、実際にハリファックスで親子留学に挑戦したご家族の体験談からヒントを探ってみました。

前編では、インターナショナル幼稚園や英検を経てカナダ・ハリファックスにやってきた背景や、現地の小中学校の様子を紹介しました。

 

前編:インター・英検を経てハリファックスへ来た理由

後編となる本記事では、得意なアートを活かして“絵を売る”挑戦や、現地でのカルチャーショック、お母さん自身の語学学校での学び、日本に残った家族との絆の変化まで──リアルなエピソードをインタビュー形式でお届けします。

英検や教科書の勉強では得られない、“生きる力”や“自己肯定感”が育った瞬間がたくさんありました。
ではさっそく、留学生活の様子をのぞいてみましょう。

"絵を売る"という挑戦がくれた自己肯定感の芽生え

親子留学の1年間で、長女Mさんが最も成長したと感じた瞬間――それは「自分の絵を売る」という挑戦をやり遂げた経験でした。

もともと兄妹皆が絵を描く環境で育ったMさんは、誰よりも絵を描くのが好きでしたが、自分の作品にあまり自信を持てないでいました。「誰かの真似をしてもいい。そこに自分なりの工夫が加われば、それは"自分の作品"になる」。そうお母さんが声をかけ続けた結果、少しずつ「やってみようかな」と自分の作品を積極的に発信していく気持ちが芽生えていったそうです。

自分の作品を発信する最初のきっかけとなったのは、留学初年度に家族で訪れたハリファックス・ウォーターフロントのフリーマーケット。地域の教育・文化イベントとして作品を発表・販売できるスペースがあり、家庭での体験学習の一環として、Mさんも1枚の絵を出品してみたところ、訪れた方がその絵を気に入り、購入してくれました。(売上は個人の利益としてではなく、次の制作のための画材費に充てる形で家庭内で管理しています。)

この経験が彼女にとって大きな自信となり、「もう一度、ちゃんとやってみたい」という思いに火がつきました。

そこで次にチャレンジしたのが、サンデーマーケットでの出店。学校の先生にも相談したり進め方を聞いたりしながら、家族のサポートのもと、教育的体験として自分で描いた絵を出品する活動を行いました。出品ブースの申し込みや手続き、英語での問い合わせ、当日の設営やお客さんとのやり取りなど――中学1年生のMさんが、異国の地で一つ一つ挑戦を重ねました。その姿にお母さんも驚かされたといいます。

サンデーマーケットの様子

この体験は、単なるアート活動にとどまりませんでした。

「自ら挑戦すること」や「実社会の中での対話」、そして「作品を買ってもらえる=自己表現が認められる」という経験は、まさに“生きる力”や“自己肯定感”を育てる連続した学びだったと思います。親子留学の価値は、こうした“本物の体験”にこそあるのだと実感させられるエピソードでした。^^(Haru)

 

カルチャーショックはありましたか?

生活の場は日本から遠く離れたカナダのハリファックス。もちろん、文化の違いで戸惑ったこともありました。

母Sさんはこう語ります。

「たとえば、時間にルーズなところですね。集合時間に遅れてくる人が多くて、最初はイライラしました。」

でも次第に「それも含めてこの国のリズムなんだ」と受け止められるようになったといいます。おおらかに物事を受け止めることで、気持ちにも余裕が生まれたそうです。

「日本とのギャップを体験したことで、『当たり前だと思っていた日本の常識』を見直すきっかけを得ました。」

「違いを受け入れる」「自分が無意識に持っていた価値観を異文化に触れたことで捉え直し、そのままの自分を大切にする」という経験は、これからの人生においても大きな支えになりますね。^^(Haru)

母Sさんが語学学校で得た経験

「親子で留学」と聞くと、子どもの教育に目が向きがちですが、実は親自身も新しい言語環境で生活を切り開く覚悟が必要です。今回のSさんご家族も、まさに"親の挑戦"からスタートしました。

「いつも中途半端な自分を見つめ直したかったんです。」

こう打ち明けてくれたSさん自身の英語力は、留学前に約1年間英語を勉強してぎりぎり英検3級に受かったレベルでした。通った語学学校のクラスには韓国、中国、サウジアラビア、メキシコなど多国籍の仲間が集まりました。

「お互いが第二言語なので、通じないことへのもどかしさや心の底から分かり合えるのは難しいのかなを感じることもありました。でも、英語がもっとできるようになりたいと思ったし、そのためには毎日インプットしたことを復習するのが大事だと気づきました。」

語学学校に通っているうちに、「英語力が伸びるかどうかは自分次第。学校のせいにしていてはだめ」と気づき、自ら先生にレベル変更を申し出たそうです。

「レベルを上げてもらったら、正直ついていくのがきつかったです。でも、その分英語力は確実に伸びた実感があります。」

本にいた家族との関係性にも変化が

1年間の親子留学で得たものは、実は英語力や子どもの成長だけではなく、もっと本質的で、大きな変化がありました。それは「家族の絆の再発見」でした。

今回の留学は、夫と息子を日本に残し、母と娘2人の3人での生活でした。距離と時差のある中で、それぞれが別の場所で生活しながらも、互いを支え合うことの大切さを再認識する時間でもありました。

「別々に暮らしていてお互いの状況が目に見えてわからない分、夫とぶつかることもありました。その一方で、お互いにいない時間を通して、相手の存在のありがたみを感じました。」と語ります。

カナダと日本で物理的に離れて暮らすことで、家族それぞれが相手の存在のありがたみに気づく経験ができました。Sさんは「夫がいれば…と思う瞬間があった」、ご主人は「妻がいないことでその存在の大切さを感じた」とお互いの想いの打ち明けがあったそうで、遠距離での生活がかえって家族の絆を深める結果につながったといいます。

こうして家族それぞれが、離れて暮らしながらも、新しい自分と出会い、それぞれの場所で成長を遂げた1年間。蓋を開けてみると、「親子留学」という枠を超えた、家族の在り方を捉え直す転機とも言えるような時間だったのです。

どんなご家族が親留学に向いていると思いますか?

「親子留学は、経験から学びを得たい人にこそ向いていると思います」とSさんは語ります。

日本では、先生が一方的に教え、生徒は静かに聞く“インプット中心”の授業が一般的です。

一方でカナダの授業は、先生や生徒とのコミュニケーションを通じて進む“体験型・参加型”のスタイル。そこでは、“受け身ではない学びの姿勢”や“自分で考え、自分で動く力”が自然に育まれます。

アウトプット型の学習が日常にあることや、外に向けて発信することが自然に受け入れられる社会の雰囲気がある。それらが後押しとなり、前述のとおり、娘さんは趣味の絵をマーケットで販売することに挑戦しました。自分で電話をかけてブースを予約し、当日の販売までやり遂げたのです。

Sさんはこの経験を振り返り、「学歴や資格以上に価値のある体験だったと思います」と語ってくれました。

「どんな人は親子留学は厳しそう?」という質問には、「神経質な人や時間に厳しい人は親子留学は厳しいかもしれません」とも。

「バスもスケジュールどおりに来ないこともありますし、運転も荒いなと思うときがあるので、あまり気にせず大らかに受け流すことができる人は楽しく過ごせると思います。」

学校のイベントにて

“親子留学”は、英語の成績や偏差値のためのものではありません。自分を取り巻く人達とのコミュニケーションを通した“生きる力”や“自己肯定感”を育むための、人生における大切な投資だということを、Sさんファミリーの体験が教えてくれます。

渡航前にしておくと良いことは、「英語力」「資金力」「適切な語学学校」の確保

「まずは資金力が必要だと思います。最初に出会った留学エージェントからは『切り詰めれば年300万円くらいで済む』と言われたものの、実際には全然足りず追加で日本から送金していました。物価の高さは想像以上で、『旅行を断念しました』と語ってくれました。

家族構成やライフスタイルにもよりますが、余裕を持って年間予算は800万円〜1000万円を見積もることを個人的にはおすすめします。

また、『渡航前の英語力の準備』も大切です。語学学校に通えば自然と英語が話せるようになると思われがちですが、実際には本人の努力次第。現地の授業についていくには、ある程度の基礎力が必要だと実感したそうです。

「英検の取得は無駄にはならないですが、ライティングのスタイルも学校と英検で違う印象を受けましたし、英検にこだわる必要はないかなと思います。文法と語彙をインプットしておくのは有効かもしれません。」

『語学学校の環境や、付き合う人の選び方も英語力の伸びに直結するため、慎重に検討すべきポイントです。語学学校はどの学校も英語をしゃべらなければならない、というルールを謳っていると思いますが、それが徹底されているかどうかは学校次第。もし英語を伸ばしたいなら、ルールが徹底している語学学校を選択することがポイントだと思います。』

ハリファックスの魅

1年暮らして感じた、ハリファックスの魅力を次のように説明してくれました。

  • 「ものすごい田舎でもないし、都会でもないちょうどいい環境」
  • 「フレンドリーに対応してくれる人が多い」
  • 「商品の値段とクオリティを比較すると日本のほうが高品質なので自然とものは買わなくなり、生活の中で無駄なものが増えにくく、シンプルに暮らせるように」

というように、生活するには必要なものがコンパクトにまとまった街で人の雰囲気も良いというふうに感じたそうです。

「ペギーズコーブやスキー、ビーチなどもあり、ノバスコシアならではアクティビティを満喫したいなら、車の運転をできるように免許を書き換えることをおすすめします」

まとめ

Sさんファミリーがカナダ・ハリファックスで過ごした1年間は、英語力の向上だけでなく、より本質的な「自分らしく生きる感覚」を育む機会となりました。親子で共有したこの貴重な時間は、家族全員の心に深く刻まれることでしょう。

カナダの学校環境の中で、娘さんたちは「自分から話しかける力」や「やりたいことに挑戦する姿勢」を身につけていきました。この経験をもとに、日本帰国後も「英語力」と「自分はできるという自信」という確かな土台の上に、さらなる飛躍を遂げていくことでしょう。そしてお母さんにとっても、この時間は英語学習にとどまらず、人生を見つめ直す貴重な機会となったことが伝わってきました。

Sさんファミリー、まずはお疲れ様でした&これからも応援しています!

  • この記事を書いた人

Haru

カナダ・ハリファックスへ家族5人(未就学児〜小学高学年の子ども3人と夫)で移住。語学学校とカレッジを経て、ECE(保育士)としてフルタイム勤務。2024年永住権取得。 当ブログ「子ども教育キャンバス」では、カナダハリファックスを中心とした親子留学、英語学習、子育て、ハリファックスの生活情報を現地からお届けしています。 子どもを連れて日本を飛び出し、海外でゼロから生活基盤を立ち上げて暮らすことは、真っ白なキャンバスに絵を描いていくようなもの。このブログを通して一人ひとりが思い描いた生活を実現できるお手伝いができると嬉しいです。

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