英語と母国語

留学はいつがベスト?カナダ滞在2年超の小中学生の成長を振り返る

最近は「教育移住」「親子留学」という言葉が浸透してきたように思いますが、いざ留学を検討すると「いつ留学するのがベストなの?」と思う方もいるのではないでしょうか? 保育園年長、小学2年生、そして小学6年生でカナダに来て2年経った今、子どもたちの英語の伸びと日本語の維持レベルはどのくらいなのか、紹介したいと思います。

渡航前の英語力
渡航前の英語力は家庭によって異なりますが、我が家の場合、英検受験経験はなく、ディズニー英語の会員として週に1回、英語の歌を楽しむ時間を持っていました。母国語を大事にしたかったので英会話教室に通ったり英検を受けたりは一切していませんでした。

小学6年で渡航した長女の場合

良かったこと
小学6年生での留学は、周りをよくみることができる学年だったので、現地校への適応は驚くほど早かったのも長女の特徴です。娘は渡航3日目にして「だいたい分かった。もう大丈夫」と言っていました。

学習面も日本語能力の基礎が固まっている状態だったため母国語をキープしつつ英語も身につけやすかったです。また日本の算数はカナダよりも進んでいたのでカナダではとても簡単に感じたようです。「数学の授業でクラスで1番に課題が終わったよ」と誇らしげに報告してきました。

 

友人関係については長女は小学校では韓国の子ととっても仲良くなり毎日楽しく学校に通っていました。中学校では韓国の子と仲が良く週末にショッピングセンターに遊びにいったり、放課後にカフェで遊んでいるようです。文化的バックブランドがあらかた固まってきてからの渡航だったのでもしかしたら自国文化に近い子と仲良くなる傾向はあるかもしれません。

大変そうなこと
現地の友達との人間関係は複雑で、中学に進むにつれてその傾向は顕著になったように思います。

カナダで生まれ育った子が集まるバレエ教室のインテンシブコースに週3で約1年間通っていましたが、小さい頃から通っていた子が大半で人間関係ができあがっていたこともあり精神的な負担が大きかったようです。そこで頑張った長女は最終的に「燃え尽きた」といって週1の小規模クラスに移りました。現在は生徒数5人程度なので和気あいあいと楽しんでいます。

なお勉強は中学にあがり難しくなりましたが、先生に質問をすれば評価は高まるようで成績も良かったです。ただ英語のアカデミックな語彙は別途インプットが必要そうなので、本を読んで分からなかったところを辞書でひいてカードにまとめるという作業をして覚えるようにしています。

小学2年生で渡航した長男の場合

良かったこと
長男は遊びを通して英語を身につけました。学校から英語の本を毎日20分読むように言われていましたが、本人の性格的に受け付けず何もせずに2年たってしまいました。たまにOxfordLearningTreesのオンラインブックを月額購入して、音声を再生しながら読んでもらうことはしました。

それでも、2年たつとリーダーズシリーズのレベル2の本はスラスラ読めるようになっていました。これは一重に学校の先生がRewardsといって本を読むとゲームを15分できるといったご褒美を設定して息子に辛抱強くアプローチしてくれたおかげかもしれません。実際先生とミーティングを重ねてどうやって学校の勉強に参加してもらうか先生と作成を練りました。。

一番英語が伸びた理由は放課後の活動にありました。カナダのハリファックスの図書館はオンラインゲームができるので、放課後は図書館にゲームをしにいくなかで、友達をたくさんつくり英語で友達としゃべりながらゲームをするのが日課になりました。

そうするなかでコミュニケーション力や自信を育んだようで、ボーイスカウトやサッカー、ラグビーなど新しい活動にも積極的に参加するようになりました。2年経った今ではオールイングリッシュで新しい環境に飛び込むことに全く抵抗がなくなったようです。

大変そうなこと
国語の教科書の音読に取り組むようにしていますが、それでも読める言葉が減ってきているように思います。

あとはゲームが大好きなのでパソコンの設定を日本語にしてそれでゲームをしてもらったりと生活のなかで日本語に触れる機会をできるだけ作るようにしています。好きなことを日本語でする時間は母国語維持には必須と思えます。家庭内での言語は日本語のみにしています。

年少さんで渡航した次女の場合

良かったこと
次女は入学当初、英語を話すこと自体が恥ずかしくてずっと黙っていたそうです。学校では”Can I go to the washroom?”も恥ずかしくて言えず帰宅後トイレに駆け込んでました。

しかし半年たつと、おままごとで英語で注文をしてみたり、簡単な受け答えができるようになりました。

2年たった今では、家でもずっと英語をしゃべっています。発音は抜群で、現地の友達とも何回もお泊りに誘われて遊びにいったりスムーズにコミュニケーションをとっています。英語のほうがいきいきと喋っているので英語優位になっていると思います。

大変そうなこと
日本の学校教育を受けずにカナダに来たので、ひらがな、カタカナ、漢字をはじめとした日本語教育を自宅でゼロからしています。

我が家は日本から持ってきた500冊ほどの絵本を毎晩読み聞かせたり音読をしています。あとはスマイルゼミをしたり日記を書いたりしています。

まとめ

留学のベストなタイミングは家族ごとに異なります。

小学校高学年での渡航は、母国語を維持しつつ英語を身につけやすいですが、その後学習内容が高度になるため、アカデミックな英語の語彙を増やすなど別途勉強が必要になってくると思います。文化的バックブランドがある程度できあがっているので友人関係も限定されるかもしれません。

小学校低学年での留学は、現地の学校の内容はまだ易しいためついていけますが、漢字などの日本語の習得が難しくなることも。

未就学児での留学は、発音がほぼネイティブと同等になり友人関係もそこまでまだ複雑ではないので容易にできますが、やはり日本語教育に力を入れる必要があるなと思っています。

どの時期が最適かを検討する上で、我が家のエピソードがお役にたてれば幸いです。

  • この記事を書いた人

Haru

2021年秋にカナダ・ハリファックスへ家族5人(未就学児〜小学高学年の子ども3人と夫)で移住。語学学校とカレッジを経て、2023年より現地のデイケアでECE(保育士)としてフルタイム勤務。2024年春に永住権取得。 当ブログ「子ども教育キャンバス」では、カナダハリファックスを中心とした生活情報や子育て関連情報を現地からお届けしています。 子どもを連れて日本を飛び出し、海外でゼロから生活基盤を立ち上げて暮らすことは、真っ白なキャンバスに絵を描いていくようなもの。このブログを通して一人ひとりが思い描いた生活を実現できるお手伝いができると嬉しいです!

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