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2年住んで分かったハリファックスでの医療サービスの選び方

日本だと体調が悪いかなと思ったらまずは近所の病院にかかりますよね。カナダではファミリードクターというかかりつけ医を登録する仕組みがありますが、多くの人が順番待ちの状況です。そこで、予約不要で受診できるウォークインクリニックという制度がありますが、難点は何時間も待つということです。そこで、この記事ではウォークインクリニック以外にどんな選択肢があるのか、約2年間カナダのハリファックスに滞在してみえてきた病院の選び方を紹介したいと思います。

緊急性が低い場合:ウォークインクリニック

かかりつけ医がいない人はWalk-in-clinic ( ウォークインクリニック)を利用します。かかりつけ医の場合は事前予約が必要なのに対してウォークインクリニックは予約不要なので急に具合が悪くなったときでもお医者さんにみてもらえるので安心です。ただ、待ち時間はだいたい2〜6時間くらいかかるので、具合が悪くなりすぎない前に行くのが大事かもしれません。。また、Walk-in-clinicでは採血が基本できないので採血や検査が必要な場合は下で説明している救急病院(ER)を受診することになります。

 

カナダのウォークインクリニックを説明したサイト

待ち時間短縮・すぐに処方箋をもらいたい場合:オンライン診療サービス

Walk-in-clinicが近くにない、すぐにお医者さんに診てもらいたい場合は、カナダのMapleというオンライン診療サービスもあります。私は近所のウォークインクリニックが閉鎖してたのと夜間にすぐ診てもらいたかったときに利用しました。

我が家のオンライン診療サービスMapleの体験談

月曜日中:強いかゆみと発疹。

月曜夜11時:Mapleへ登録して写真と状況をテキストで送信。10分後にチャットで問診スタート。帯状疱疹と診断され処方箋(抗ウイルス剤)を発行。すぐに薬を服用して翌朝9時までに救急を受診するようにアドバイスを受ける。処方箋をMapleのオンラインダッシュボード上で薬局を選択してFax送信。

火曜朝8時:薬局にて処方薬の受け取りと服用。その後、救急に行き「患部の精密検査を受けてくださいと言われました」と伝え受診

帯状疱疹は発症後72時間に薬を飲み始めることが肝要らしく、オンライン診療で薬を処方してもらえたのは助かりました。朝イチで救急に行けたのも待ち時間を短縮できたので良かったです。(それでも5時間待ちましたが短い方です)Mapleの診察料金は1回69ドルでした。たくさんの患者さんがいる空間で数時間待つ必要がない、診療は基本的にチャット形式なので医療用語も翻訳ツールでクリアできるのは便利でした。

 

カナダのオンライン診療サービス

 

<8月19日追記>

・MSIカード(日本でいう健康保険証)を持っていれば無料でオンライン診察を受けられるようになりました!サービスプロバイダーは上記と同じMapleです。Virtual Care NS(英語サイト)

・MSIカードについてはこちら(英語サイト)ノバスコシア州に183日以上住んでいる人は医療費をカバーしてもらえます。

緊急性が高い・検査が必要な場合:救急(Emergency Room: 通称ER)へ行く

緊急性が高い場合は救急病院を利用することになります。参考サイトによると緊急性が高い場合とは具体的には以下の状況をいうそうです。救急はウォークインクリニックと違い検査体制が整っています。来院して感じたのは、明らかに具合が悪い人だらけというよりは検査が必要な人が来ている印象を受けました。

  • Sprains: an injury to a joint (関節の怪我)
  • Strains: an injury to a muscle or similar soft part of the body (筋肉や体の柔らかい部分の怪我)
  • Needing stitches(要縫合)
  • Minor burn that needs treatment(治療が必要な軽度の火傷)
  • Something has entered the body that shouldn’t have(体内に入ってはいけないものが入ってきた)
  • The body is unable to maintain what it needs to survive (blood or oxygen) (血液や酸素を維持できなくなる)
  • Pain becomes so severe that it interferes with normal day-to-day life(痛みがひどく日常生活に支障をきたす)
  • Being incoherent and not in the usual frame of mind(支離滅裂でいつもの精神状態ではない)

参照サイト(英語サイト)

ちなみに「気軽に行って具合の悪い人の邪魔にならないかな?」と心配になる人もいるかもしれませんが、トリアージュ専門のスタッフがいて、問診と血圧測定を踏まえて治療の優先順位付けをされます。重篤な人は優先して治療が受けられるようになっています。

 

 

なお、問診を待っている場合ではない救急の場合は救急車を呼びます。電話番号は911です。

ハリファックスの小児専門救急病院:IWK(アイダブルケイ)

お子さんが怪我をしたときや体調不良の際には小児専門の救急病院へ行くことになります。

娘が放課後に骨折して、こちらへいきましたが比較的すぐに診てもらえました。その後も何度かお世話になりましたが、出血と骨折は緊急度高めで診てもらえますが、発熱のみだと5・6時間待つという印象です。平日の朝イチだと比較的スムーズに診てもらえます。まず来院するとトリアージュ(治療の優先順位付け)のスタッフに状態を確認してもらい、待合室で診察待ちをすることになります。

 

ハリファックスの小児専門救急部門(16才まで)

まとめ

2年ハリファックスの医療サービスを受けた経験からいうと、一番スムーズに診てもらえるのはオンライン診療です。ちなみに、クレジットカードでの前払い制ですが触診が必要な場合などオンライン診察が成立しないとMaple側で判断した場合は「残念ながらお受けできません。救急に行ってください」と言われて返金された経験もあるのでお金をドブに捨てる可能性は低いと思われます。(しっかり診察してもらった結果ERに行ってくださいと言われることももちろんあります)。一刻を争う場合は当然救急車を呼ぶべきですが、気持ち的に早く診てもらいたい場合はオンライン、既往歴等から採血などの検査が必要だなと自己判断できる場合は最初から救急、待つゆとりや時間がある場合はウォークインクリニックを選択されるのが良いのではないでしょうか。参考になれば幸いです。

 

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  • この記事を書いた人

Haru

2021年秋にカナダ・ハリファックスへ家族5人(未就学児〜小学高学年の子ども3人と夫)で移住。語学学校とカレッジを経て、2023年より現地のデイケアでECE(保育士)としてフルタイム勤務。2024年春に永住権取得。 当ブログ「子ども教育キャンバス」では、カナダハリファックスを中心とした生活情報や子育て関連情報を現地からお届けしています。 子どもを連れて日本を飛び出し、海外でゼロから生活基盤を立ち上げて暮らすことは、真っ白なキャンバスに絵を描いていくようなもの。このブログを通して一人ひとりが思い描いた生活を実現できるお手伝いができると嬉しいです!

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