1年親子留学のリアルを前編・後編に分けてご紹介。本記事は後編です。
前編では、ハリファックスを親子留学先に選んだ理由や学校選び、生活費についてお届けしました。後編では、現地での子どもたちの学校生活や友人関係、英語の習得状況、親の語学学校や生活のリアルについて詳しくお伝えします。実際に留学を経験したYさんが感じた 良かったことや大変だったこと、そして親子留学を考える方へのアドバイス も紹介しますので、ぜひ参考にしてください!
目次
- 1 日本から持ってきてよかったものはありますか?
- 2 冬のカナダは寒くなかったですか?
- 3 日本語補習校は検討しましたか?
- 4 お子さんが通う小学校での様子はどうでしたか?
- 5 小学校でのお子さんの友人関係はどうでしたか?
- 6 学校がない夏休みはどうやって英語環境を確保しましたか?
- 7 お母さんの英語学習歴について教えてください。
- 8 ハリファックスの語学学校はどうやって決めましたか?
- 9 語学学校での人間関係はいかがでしたか?
- 10 語学学校と学校送迎のスケジュールを教えてください
- 11 言葉の壁を感じましたか?また、それにどう対応されましたか?
- 12 日本との違いに戸惑ったことはありましたか?
- 13 親子留学でお子さんたちの成長や変化を感じる瞬間はありましたか?
- 14 日本では得られなかったハリファックスでの経験は?
- 15 ハリファックスは親子留学におすすめだと思いますか?
- 16 これから親子留学を考えている人へのアドバイスはありますか?
- 17 まとめ
日本から持ってきてよかったものはありますか?
服以外だと子ども1人に1つづつ何かしらのツールを持たせたかったので、1人に携帯電話、2人にタブレットを1台ずつ持ってきました。1年日本を離れる間に勉強の遅れが出ないように、日本のドリルを持ってきました。他には薬、歯磨き粉ですかね。
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冬のカナダは寒くなかったですか?
スノーウェアは、帰国した日本人家族の方にまるっと譲ってもらったのですが、それがあれば全然寒くなかったです!関東育ちですが、こちらに来て寒さに慣れたのか、マイナス10℃くらいでも外出は億劫ではなかったです。

雪が積もった広場を歩くお子さんたち(ご本人提供)
ハリファックスの気候
地図を見るとかなり北に位置するので冬は極寒と思われがちですが、北大西洋海流という暖流のお陰で気温自体は比較的温暖です。ただ海沿いで風が強い日が多いので体感温度は下がります。−7度でも体感温度は−13度、なんてこともざらにあります。
夏は涼しく過ごしやすい気候で、冬は日本より寒いものの、アルバータやトロント、モントリオールなど他の都市と比べると比較的穏やかです。夏の平均気温は15~23度と過ごしやすく、冬は-7~1度とトロントやモントリオールと同程度です。海に面しているため風通しが良く、夏は扇風機だけで生活できる家庭も多いそうです。
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日本語補習校は検討しましたか?
日本語補習校は、カナダ生まれのお子さんや日本語をまだ習得していない小さなお子さんが通うものと聞いていて、日本で育った子には物足りないかもと聞いたので通わせませんでした。勉強補習校があればいいのにって思いました。
日本語補習校体験談(我が家の場合)
我が家は末っ子だけ滞在3年目になったあたりから英語が完全に優位になったので、小学校2年生のときから通い始めました。今のクラスでは漢字プリントや調べ学習の宿題が出るので、それを毎日少しづつしています。親のサポートは必須ですが日本語を読み書きする習慣がついてきて重宝しています。
お子さんが通う小学校での様子はどうでしたか?
カナダ留学前の日本での英語学習経験としては、子どもたちが幼稚園のとき英語のクラス、公立小学校にあがってからは週に2、3回の授業のみでしたが、それ以外は英語に触れていない状態でのスタートでした。なので、学校の授業は最初は本人たちは先生が何を言ってるかさっぱり分からなくて、ある日突然みんなパジャマ来て登校してて、パジャマデー(パジャマを着て学校に登校できる日)であることを当日知ったり、といった感じでした。

ハロウィン仮装をしてトリック・オア・トリートをして近所の方からお菓子をもらいました(ご本人提供)
英語のサポート体制
カナダの小学校は英語が第二言語の生徒が一定数いるため、先生も対応に慣れていることが多いです。授業にはパソコンを使うので、翻訳機能を使って日本語から英語に訳して先生に見せることで意思疎通が図れます。同じクラスに同じ国の子がいれば、その子がサポート役を任されて助けてもらえることも。また、ESL専門の先生がいて授業中に呼ばれてマンツーマンやグループ形式で英語レッスンを受けることもあります。
小学校でのお子さんの友人関係はどうでしたか?
長女は小学校5年生のときにカナダに来ました。最初のクラスは仲良い子ができたのですが、9月に学年があがりクラスが変わってからは、女の子だと、小さい子みたいに体を使った遊びというよりは会話中心になり、高度な語彙力や表現力が必要になってくるので溶け込むのが大変そうでした。
長男はサッカーを通じてお友達ができました。男の子は言葉が通じなくてもスポーツやふざけ合ったりしてコミュニケーションがとれ仲良くなれた点が良かったです。
年長さんで来た、一番下の子が英語環境に溶け込むのが一番早かったように思います。お店でも自分から英語を使って店員さんに話しかけたりと、抵抗なく英語を話しているのをそばで見てびっくりしました。
学校がない夏休みはどうやって英語環境を確保しましたか?
夏休みは2.5ヶ月と長く、1年留学なのにこの期間に英語から離れてしまうのはもったいないと思い、オンライン英会話を始めました。
Native Campを利用して、7月くらいから夏休みに朝図書館に行って、図書館のFree Wi-Fiを利用しタブレットで1時間英会話(1コマ20分×3コマ)、夕方1時間(1コマ20分×3コマ)を続けることで子どもたちができるだけ英語に触れられるようにしました。学校が始まってからも、上の子2人は10分オンライン英会話をしてから登校する生活になっています。
夏休みの子どもたちの過ごし方
夏休みはYMCA, RECなどサマーキャンプに参加したりしている親子留学のお子さんが多いです。だいたい8時半〜5時くらいまで子どもたちが滞在して、クラフトをしたりムービーを見たり、近くの公園に遊びにいったりします。科学館主催のサイエンスキャンブや音楽教室主催のミュージック、ダンス教室主催のダンスキャンプもあります。図書館でもいろんなアクティビティ(無料)が用意されているのでそこに参加するのも手です。
お母さんの英語学習歴について教えてください。
私自身は、英語科の高校を卒業して大学は中国語を専攻しました。大学卒業前にニュージーランドに半年間友達とワーホリに行きました。でも日本語で生活したので英語力は伸び悩みました(笑)
ハリファックスの語学学校はどうやって決めましたか?
オックスフォード・インターナショナルスクールというダウンタウンにある語学学校に決めました。理由はキャンペーンをやっていたからです。他にも3つの語学学校がありますが、学校選びはその先の進路を見据えて選ぶ方が多いようです。私の場合は1年限定でしたので特によく調べずに決めてしまいましたが、各学校の特徴を理解したうえで決めればよかったかなと思います。生徒の国籍は様々なので学校でポットラック(持ち寄りパーティー)をするときはとても楽しかったです。私のクラスは日本、中国、韓国の人が割合的に多かったです。テキストは基本貸与で、書き込みが必要な授業のときはプリントが配られました。テキストに書き込めないのはちょっとやりづらかったです。
語学学校の決め方
語学学校によって、国籍比率、テキストは貸与式・購入式と異なったり、クラスアップの仕組みが異なります。学校の雰囲気も異なります。英語のみを喋ることを厳しく周知している学校もあればそうでない学校もあったりします。相見積もりで料金を比較するのも大事ですが自分がどんな環境で英語を学びたいかを想像しながら留学エージェントさんに相談してみるとよさそうです。
語学学校での人間関係はいかがでしたか?
語学学校は主に情報交換の場で、ビザの話、イベント、習い事などいろいろな情報をシェアしあいました。そのほかでいうと、子どもが仲良くなったママと仲良くなるパターンが多かったです。
語学学校と学校送迎のスケジュールを教えてください
8時45分に小学校の門が開くので、それに間に合うように子ども達を学校へ連れてっていって、送り届けたらその足で語学学校へ行きました。語学学校の授業は9時半から2時15分まであって、授業が終わったらそのまま学校へお迎えに行きました。そのあとは近くの図書館でコーンピューターゲームやクラフトアクティビティ、Emera Ovalでは夏はキックスクーターや自転車、冬はアイススケートをして過ごすことが多かったです。

Emera Ovalのスケートリンクにて。リンク利用だけでなく、ヘルメットとスケート靴も無料で借りられます(ご本人提供)
語学学校と子育ての両立
学校によって門が開く時間が微妙に違うので、Googleマップで移動時間を調べながらイメージするとよいと思います。バスが少ないエリアに住む場合は車の購入やUber利用も検討するとよいかもしれません。
言葉の壁を感じましたか?また、それにどう対応されましたか?
親がある程度英語を話せないと、病院や歯医者での説明、緊急時や重要な場面での意思疎通が難しいと思いました。子どもが怪我をしたときにIWK(小児専用病院)に行ったのですが、通訳の機能があり助かりました。機械ではなくて、タブレットの向こう側に通訳の人がいて、話したことを人が話してくれたんです。歯医者さんは逆になくて困りましたね。
ちなみに、保険は語学学校で入っていて、歯科も対象のものを購入していたので、治療費は全額カバーされて良かったです。
日本では運転が好きでカナダで運転ができるよう日本の免許証を書き換えましたが、英語力に不安があり万が一事故したときのやりとりが不安だったので、結局運転することはありませんでした。
日本との違いに戸惑ったことはありましたか?
「まあ、適当だから仕方ないかな」と割り切るしかないトラブルもありましたね。vmediaというサービスプロバイダーでWi-Fiを契約したのですが、工事がなかなか始まりませんでした。
ようやく来た工事の人は、モデムが壊れているようだと言って帰ってしまいました。留学エージェントの牧さんにコールセンターへ問い合わせてもらい解約することにしましたが、支払った初期費用200ドル以上のうち20ドルしか返金されず悔しい思いをしました。その後は、部屋のWi-Fi契約をやめて、スマホのテザリングや図書館のFree Wi-Fiを活用して過ごしました。多くの場所でFree Wi-Fiが使えたので、特に不便は感じませんでした。
親子留学でお子さんたちの成長や変化を感じる瞬間はありましたか?
1年の留学で子どもたちが自分が聞き取れなかったえ英語を聞き取れてるのをそばでみてて関心しましたね。
小学校5年生の長女は9月にクラスが変わったあと、親友と呼べるくらい仲のよい友達ができなかったんです。ただ、親切にしてくれるクラスメイトは何人もいるようで、おもしろいクラスメイトのエピソードなどをよく話してくれました。また、先生が長女のことをとてもよく理解してくれて、たくさんほめてくれて、長女は親友と呼べる存在がいなくても学校が好きでクラスが好きで楽しかったようでした。
最近になって長女が、「もっとカナダにいたい。英語ができるようになりたい」と言い出したんです。半年ホームステイという形で彼女だけ滞在延長できないか検討したんですが、ビザ申請に時間がかかりちょっと間に合わないということで断念しました。もうちょっと早ければ実現したかもしれないのですが、ビザ問題ばかりは仕方ないですね。今は日本に帰ったあとの英語環境を整備したいと思っています。

ハリファックス中心部にあるHorseshoe Island Parkにて。ピクニックやハイキングができます。(ご本人提供)
日本では得られなかったハリファックスでの経験は?
まず、学校や地域に集まる人たちですね。様々な国の子どもが当たり前にいる環境がとても良いと感じました。長男は「友だちがやさしい」と言っていて、色々と助けてもらったようです。
それから、自然の豊かさが特徴的でした。時間があれば自然観察を楽しみ、ウォーターフロントで海に癒されました。夏には多くの客船が寄港し、家のどの窓からも見えたので、室内からも海と船の景色を楽しめました。夜の港に浮かぶ客船の光景は本当に幻想的でした。

ウォーターフロントに寄港している客船。夏には毎日何隻もの船が立ち寄ります(ご本人提供)
交通手段の一つにフェリーがあったのも魅力的でした。ハリファックスの対岸のダートマスまでの約10分間のフェリー乗船は、貴重な体験として楽しむことができました。

交通公共機関のフェリーにて。10分ほどで対岸のフェリーターミナルに着きます(ご本人提供)
子ども向けのイベントも各地で開催されていて、それらに参加したり、シタデルの下に設置されていたトランポリンで遊んだりしたことも、良い思い出になりました。
ハリファックスは親子留学におすすめだと思いますか?
はい!実際に私の周りで親子留学を検討している友達がいるのですが、エージェントさんを紹介しました。
これから親子留学を考えている人へのアドバイスはありますか?
英語の準備をもっとしてから来ればよかったと後悔しています。特に英語の音に慣れることや、基本的な挨拶ができるようになってからの渡航が望ましかったと思います。親子留学のタイミングについては、子どもの年齢が小さいほうが良いと実感しました。高学年になってから英語初心者として現地小学校に通うのは、かなり大変です。年齢が上がるにつれて会話が遊びの中心になってくるため、小さい子どものほうが友達を作りやすいというのを、そばで見ていて強く感じました。ですので、プレプライマリー(就学前教育)くらいから始めて、1年半程度滞在するのが理想的なのではないかと思います。
また、滞在期間を最初から決めきらずに、子どもがカナダでの生活を続けたいと希望した場合に延長できるような心構えと準備をしておくと良かったと、実際に留学を経験して感じました。
渡航前の年齢別英語準備、何が必要?
親子留学のゴールをどこにするか次第ですが、英語力の向上を一つの目標とした場合、子どもの年齢によって、渡航前の英語準備の方法は大きく変わっってくると言えそうです。小学校中学年以上の場合は、会話のなかに関係代名詞や進行形など日本の小学校の英語学習進度に比較すると高度な英語を使う年齢になるので、文法や読み書きの基礎を身につけ、オンライン英会話で会話に慣れておくと良さそうです。一方、未就学児や低学年の場合は、特別な準備は必要なさそうです。この年齢では現地で自然に英語を吸収できる柔軟性があるためです。
留学はいつがベスト?カナダ滞在2年超の小中学生の成長を振り返る
あとはどこに住むかですが、もし英語の習得を重要視するなら、日本人が少ない環境が良いと思います。ハリファックスはダウンタウンだと日本人が割と多い方ですが、ダートマスなど日本人が少ないところもあります。広大なカナダということを考えると、日本人が多いハリファックスのダウンタウンからバスで1時間くらいの距離で日本人が少ないエリアを選べるのが、この町のよいところだなと思いました。
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まとめ
1年という期間ながら、1日2本しかバスが走らない遠方まで出かけて水上プールに行ったり、トロントに行ったり、地域のアクティビティを見つけてはでかけるフットワークの軽さが印象的だったYさん。「親子留学は子どもたちが馴染めるか馴染めないかで決まる。子どもが帰りたいと言ったら帰るしかないかなと思います」と言っていたのも印象的でした。そういう意味で1年という期間は、集中的に海外生活体験をするのに丁度よい期間なのかなと思いました。
また、お姉ちゃんのように、英語環境で生活して楽しかった経験・苦労した経験といったいろんな感情が「もっと英語ができるようになりたい」というゆるがないモチベーションになったのは、今後これから続く英語学習にとって大きな収穫になったのではと思います。子どもたちが自分で経験して、感じたことをもとに、自分の内側から湧き出た「もっとできるようになりたい」という言葉に、子どもたちの成長の伸びしろを感じずにはいられません!